カンボジアシルクに魅せられて

こんにちは、kmartです。

旅に行ったら必ず立ち寄るお土産屋。
カンボジアの絣糸「クロナット・ソウット・ホール」の美しさと芸術性の高さが、世界でも高いレベルにあることはあまり知られていない。

タイのシルクを一躍世界的に有名にしたシルク王ジム・トンプソンも東北タイ、イサーンに住むクメール系の人々の作る絹絣や、バンコクの運河沿いに移住した亡国の民、チャム族の人々が作る絹絣に、心を奪われていた。
それらの布はタイ固有のものというよりは、カンボジアやラオスのものであり、古くは遠くインドや西アジアから流れ着き、現在もあとから引かれた国境を流動的に行き交うものなのである。

そんなカンボジアシルクについてご紹介します。

布の種類と用途

ホール

ホールは絣という意味で、カンボジアの伝統的なスカート「ソンポット・クマエ」に用いるために織られる絹絣です。
カンボジアを代表する布で、タケオ州のプノン・チソール周辺、またはコンポンチャム州とプレイベン州にまたがるプレーク・チョンクランが産地として有名。
コンポンチャム州のチャム族の村でもチャム独特の絹絣を織っている。
タケオ州では様々なバリエーションの絣が織られている。
古い絣布から起こした、凝った古典的な柄が裕福なカンボジア人の間で流行っているが、若い女性の間ではナチュラルカラーのものが人気だ。
プレーク・チョンクランの柄は赤と黄色と黒を基調にした特徴的なもので、日本人には少しなじみにくいかもしれないが、カンボジアでは品質が高いことで有名。
年配の人を中心に根強い人気がある。
一般的に、赤、黄、緑、黒を基調にした暗めの色合いのものがより伝統的で年配の人に好まれ、綺麗な色が若い人に好まれる傾向がある。

ピダン

「ソンポット・クマエ」として用いられる絣以外に「ピダン」と呼ばれる絵絣がある。
お寺や王宮、供え物、天女、象、馬などの神聖なモチーフが描かれている。
お寺の祭壇や壁にかけられる絣布である。
正式にはお寺の仏像の真上に天蓋としてかけられるものだが、現在ではそのように使われることはほとんどなく、市場ではおもにお土産用のタペストリーとして売られている。

パームオン

裾柄入りのシルクのスカート用の布を一般的に「パームオン」というが、本来は「都の布」という意味があり、王宮での正装として宮仕えの人々が着用した。
経糸と緯糸を違う色の糸で織ることにより玉虫色のような光沢を出した布を指す。
紋織で織り出された裾柄入りのものを「パームオン・チョー・チューン」、間隔の開いた水玉のようなドットが入ったものを「パームオン・ボントック」、無地のものを「パームオン・リエット」と呼ぶ。
産地はカンダール県で、プノンペンの対岸にある島、コッダイが有名。
アプサラ・ダンスのダンサーが着用しているのは金糸や銀糸の総紋織になっているもので「チョラバップ」と呼ばれる。

スン

綿で織られ、裾にパームオンと同じように紋織の裾柄が入っているもの。
ラオスの紋織生地「パ・シン」からきているともいわれている。
パームオンがおもにフォーマルな場で用いられるのに対して、スンは普段着として着用されてきた。
しかし、近隣諸国からの安価な布や既製服に押されて着用する人が減っている。
パームオンと同じ地域で織られる。

サロン

自宅でくつろぐときに部屋着の腰巻きとして着用されるのがサロン・ソート。
格子柄のものは男性用で、女性はタイ製やインドネシア製のプリントやバティック柄のコットンのものを着用する。
また、チャム族がイスラム教の教義に沿って織ったサロン・チャムと呼ばれているものもある。

クロマー

カンボジア式スカーフ。
農村部では手ぬぐいのように、汗拭きや帽子代わりに首や頭に巻き、また水浴びや水泳をするときに、体を覆ったり、タオル代わりに体を拭いたりする。
そのように日常的に使われるものには「クロマー・コンポン・チャム」と呼ばれる。
白と赤や青のギンガムチェックで吸湿性のよいコットンで織られたものが人気。
シルクのものはよそゆき用だ。
パーティーなどの華やかな席には絹でできたものをストールとして使う。
最近は絣柄の「クロマー・ホール」や紋織の「クロマー・パームオン」が種類も豊富で観光客にもお土産として人気がある。

値段の目安

カンボジアシルクは3~3.8mの長さがあり、それをクバンという単位で呼ぶ。
値段は品質や柄によって異なり1クバン30USドル〜。
化繊や目が詰まっていない場合10USドル〜のものもあるが、それ以下はカンボジア製でない可能性が高い。
布は市場やシルク専門店で売られている。

最後に

プノンペンやシェムリアップに並ぶ土産物店で、ひときわ目を引くのはホールやパームオンと呼ばれる手織りのシルクだ。
熱帯の強い日差しに輝く花々のように、極彩色に染められた生地が店の天井まで整然と積まれている。
売り子がスカートのようにぐるりと腰に巻きつけて見せてくれると、畳んであった状態とはまた違った表情を見せる。
昔から、そして今なおシルクは宝石と同じように女性を魅了する。
あなたも是非お土産にひとついかがですか?

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